2012年1月18日(水)のNHK「クローズアップ現代」と、20日(金)NHKあさイチで,「急増するインプラント治療トラブル」という番組が放映されました。
この5年間で2000件のインプラントトラブルの苦情相談が、国民生活センターに寄せられているとのことでした。
番組では、下顎の神経をインプラントが傷つけて、唇のしびれを訴えている患者さんや、上の丈夫な歯を全部抜かれて、インプラントにしたところ治療が失敗し、「自分の歯を抜かなければ良かった」と訴える患者さん、さらに、インプラント治療時に下顎の血管を傷つけて死亡した例が紹介されていました。
その上で、二人の匿名の歯科医師が、メーカー主導の簡単なセミナーを受け、治療に失敗した経験を述べ、もう一人がインプラント治療を経営のための手段と考えていることを告白していました。私はこの歯科医師の倫理観の欠如に失望したと同時に、この番組が視聴者の皆様にとって歯科医院選択の基準に安かろう、早かろう、近かろうという、安易な選択をするのではなく、将来のご自分の健康を第一に考えた慎重な選択を促すための警鐘になったと考えています。
むしろ、インプラント治療に対して真摯に取り組んでいる先生方にとっては今後安心・安全・快適なインプラント治療を心がけること
で、今まで以上に国民の信頼を回復できるのではないでしょうか。
福岡歯科大学口腔インプラント学分野の城戸寛史教授と教室のお祝いの花をバックに
今年の一月から教授に就任されました。